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AIRJAM 2026 LIVE REPORT

Lagwagon――常に時代と対峙し、歌うべきことは歌う。カリフォルニアのパンクレジェンド見参!

日本にはそれなりの頻度で来ているLagwagonだが、その舞台がAIR JAMとなれば話は別。ライヴ中にジョーイ・ケープ(Vo)も触れていたが、95年の初来日ツアーに同行したのがHi-STANDARDであり、盟友と言っていいほどの付き合いだ。ジョーイ自身はMe First and the Gimme Gimmesとして2011年のAIR JAMに出演をしているが、遂にAIR JAMでその勇姿を目撃できるときが来た。カリフォルニアのパンクロックレジェンド、Lagwagon見参。

仰々しいスタイルではなく、ジョーイをはじめとして、クリス・レスト(G)、クリス・フリッピン(G)、ジョー・ラポソ(Ba)、デイヴ・ラウン(Dr)の全員が板付きのまま、調子はどうだい、とオーディエンスに投げかけ、“VIOLINS”から一気に華々しい幕開けを飾る。やっぱり、Lagwagonのオープニングナンバーと言ったらこの曲だ。適切なビート感でオーディエンスも普段の鬱屈した気持ちをここぞとばかりに解放し、ジョーイもステージ上を軽やかに歩き回りながら深みのある歌声をガツンと響かせ、それを後押しするコーラスワークもいい。加えて、ラストの2ビートの勢いに背中を押されない人はいないだろう。曲が終わった瞬間、大きな拍手が沸き起こったのが何よりの証。

そこからはシリアスに駆け抜けていくようだが、ドラマティックなメロディーが心を掴む“CHANGE DESPAIR”へ。終盤に繰り出されたジョーイのシャウトは本当にカッコよすぎたが、その後に放った咆哮も半端なかった。いやはや、歌に限らず、どこまでも魅せつけてくれる男に違いない。

「カンパイ!」とジョーイがグラスを掲げて突入した“KNOW IT ALL”ではソリッドなアンサンブルを響かせ、落とすところはしっかり落とす抑揚の付け方が絶品な“ALIEN 8”、圧倒的スケール感でスタジアムが似合いすぎた“MAKING FRIENDS”とまさに盤石な流れ。夕方になり周囲は暗闇に包まれるが熱気は落ちることがない。モッシュピットも激しさと楽しさを増していくばかりなのだ。

シャレたギターソロやシンガロング必至なサビを浴びられた“BUBBLE”を終えた後、ラウンのドラムソロにレストとフリッピンがギターを重ね、バンドサウンドへと移り変わっていった“RIFLE”はハイライトのひとつ。強く吹く風などものともせず、メタリックな匂いと畳み掛ける音が生み出す圧力によって巨大なライヴハウスで轟音を食らっているような感覚に陥ってしまったのだ。

そのムードを引き継ぐように、ジョーイのタイトルコールから飛ばしまくったのが“MR.COFFEE”。高速で突き進むメロディックハードコアなナンバーであり、シャウトもグサグサと突き刺さる。そんな折、マイクのシールドで縄跳びしたり、その場でプッシュアップをしてみたり、チャーミングな一面を見せるジョーイ。強靭なサウンド感を誇る“RAZOR BURN”の終わりでもお腹を出してポンポンと叩く仕草をしていたが、シリアスさだけじゃなく、より伝えるためのユーモアも忘れないのも流石と言えるだろう。

もちろん、曲に入れば一瞬で突き刺すのもレジェンドたる所以。ジョーイの愛妻エレンを呼び込み、共に“E DAGGER”を届けた後、ラストナンバーは感謝を込めて“MAY 16”。パンクロックの歴史に刻まれた名曲だ。ステージのライトも激しく照らされるが、それに負けないメロディーとパワー。オーディエンスも全身全霊で声を上げ、まさしくマリンスタジアムがひとつになった瞬間でもあった。

ジョーイが加入し、Lagwagonが形作られてからもうすぐ40年。20年ほど前、年齢と共に衰えていく様を“FALLING APART”で皮肉っていたが、老いてますます盛んなバンドと言っていい。常に時代と対峙し、己の信念を失うことなく、歌うべきことは歌う。レジェンドを観れた喜びより、リアルに鳴らされる音の衝撃が軽々と上回ったライヴだった。

 

SET LIST(AIR STAGE)

01. VIOLINS
02. CHANGE DESPAIR
03. KNOW IT ALL
04. ALIEN 8
05. MAKING FRIENDS
06. BUBBLE
07. RIFLE
08. MR. COFFEE
09. RAZOR BURN
10. E DAGGER
11. MAY 16

TEXT: ヤコウリュウジ
PHOTO: Yusuke Baba(Beyond the Lenz)