AIRJAM 2026 LIVE REPORT
21年ぶりに再結成したDANCE HALL CRASHERSが繰り広げたプレミアム級ライヴ
「今回、DANCE HALL CRASHERSのライヴを楽しみにしていたという人は少なくなかったはずだ。もしかしたら、中には彼らのライヴが今回、AIR JAM参加の大きなモチベーションになったという人もいるかもしれない。
89年結成のスカパンクのベテランだが、04年に一度解散して、昨年、21年ぶりに再結成したばかり。その彼らのライヴを久しぶりに見られるのである。しかも、この機会を逃したら、カリフォルニア州バークレーを拠点としている彼らのライヴを見られるのは、いつになるかわからないんだから、今回のライヴがどれだけプレミアムなものなのか、彼らにそんなに馴染みのない人でもわかっていただけると思う。Hi-STANDARDから誘われ、すごくおもしろそうだと思って、二つ返事で(というのは筆者の想像だが)来日と出演を決めてくれたDANCE HALL CRASHERSに感謝!

登場のSEが流れたとたん、アリーナの観客がスカンキンなダンスでバンドを歓迎する中、Jason Hammon(Gt)がザクザクとリフを刻みながら、DANCE HALL CRASHERSの演奏は“Go”からスタート。フロントに立つElyse Rogers(Vo)とKarina Denike(Vo)がハーモニーを重ねるスカパンクナンバーだ。早速、Karinaがぴょんぴょんと飛び跳ねると、観客も飛び跳ねる。みんな、楽しそうだ。
そこからKarinaとElyseが「コンニチワ」と日本語も交え、観客に語りかけながら、テンポよく繋げていったのは、「Special song!」というKarinaの言葉を観客の大歓声が裏付けた“Shelly”をはじめ、代表曲の数々だ。スカパンクナンバーを中心にしながら、“Queen For A Day”をはじめ、彼らは2ビートのメロディックパンクナンバーもレパートリーとして持っている。

ライヴを見ながら、目と耳はどうしても、ハモりながらエネルギッシュにツインボーカルを響かせるElyseとKarinaに向いてしまいがちだが、バンドサウンドを支える男性メンバーたちの演奏も聴き(見)逃せない。バリバリバリと音色を歪ませながら、ほとんどの曲でギターソロを閃かせたJason、指弾きで図太いビートを刻んだMikey Weiss(Ba)、アップテンポのリズムをキープしながら、重ための低音をずしっと響かせたGavin Hammon(Dr)、そしてバッキングのリズムギターに徹していたサポートギタリスト。彼らの演奏にも印象に残る瞬間が少なくなかった。
そうしているうちに、気づけばライブは後半戦に突入している。

「Everybody! Come on, jump!」とKarinaが声を上げ、ダン!ダン!ダン!と全員でリズムを刻んだオールディーズっぽい魅力もある“Next To You”。この曲でKarinaが演奏に加えた「Ha! Ha!」という掛け声がちょっと沖縄民謡っぽく聞こえたのは筆者だけだろうか。
続くメロディックパンクナンバーの“Ambush”は、20数年前にレコーディングしたまま、メンバー達も曲の存在を忘れていたという未発表曲。PIZZA OF DEATHから10月にリリースされた99年発表の4thアルバム『Purr』のデラックスバージョンには、その“Ambush”を含む未発表の4曲が収録されているので、まだ聴いていないという人は、ぜひ!

そして、ライブはいよいよ大詰めに。
ベースリフが耳に残るスカパンクナンバー“Lost Again”。演奏のグルーヴが大きくなったサビでは、アリーナの観客が手を上げながらジャンプを続け、壮観な景色を作り上げた。そこからなだれこんだ“Don’t Wanna Behave”では、シンガロングを求めたKarinaに応え、観客が<オ~オ~>と声を上げる。

最後を飾ったのは、ダンスホール賛歌の“DHC”。彼らのライヴの定番のラストナンバーだが、曲に込めたメッセージ通り、こんな世の中だからこそという意味合いもあったんじゃないかと想像する。
最後の最後、ステージを降りるメンバーたちを見送ったのは、観客による賞賛の証とも言える「DHC!」というコールだった



SET LIST(JAM STAGE)
01. Go
02. Cold Shower
03. Queen For A Day
04. Shelley
05. Mr. Blue
06. Enough
07. Next To You
08. Ambush
09. Lost Again
10. Don’t Wanna Behave
11. D.H.C
TEXT: 山口 智男
PHOTO: 岸田 哲平