SPECIAL

AIRJAM 2026 LIVE REPORT

「全員クソガキニ戻ルゾ!」MAN WITH A MISSIONが体現した反骨精神とリスペクト

「行ケルカ!? AIR JAM!」

Jean-ken Johnny(Gt&Vo)の雄叫びとともに“Take What U Want”になだれこみ、アリーナを揺らした5匹の狼たちを、早速、観客のハンズアップが歓迎した。
さらにJohnnyがオクターブで音色をハモらせながらギターソロを閃かせた、その“Take What U Want”に狼たちが繋げたのが、なんと“database feat.TAKUMA (10-FEET)”。そう、10-FEETのTAKUMAをゲストに迎え、2013年にリリースしたシングルナンバーだ。

AIR STAGEのトップバッターとして演奏を終えたばかりのTAKUMAが当たり前のようにオンステージして、観客に驚嘆の声を上げさせる間もなく、ラガなラップや軽やかなステップを披露しながら、狼たちと交歓を繰り広げる。

「もっともっと見せてくれよ!」(TAKUMA)

もしかしたら、敢えて2曲目に持ってきたのかもしれない。しかし、確実にこの日のライヴの見どころにできる曲なのに、そうはせずにセットリストの中の1曲として、極々自然に披露した狼たちの、反骨精神と言ってしまったら大袈裟に聞こえるかもしれないけれど、ともあれ、まずは彼らの心意気を称えておきたい。

「最高ダヨ! 楽シンデルカ!? マジデ最高ノ気分デス!」
挨拶もそこそこに今この瞬間の気持ちを言葉にしたJohnnyは、さらに言葉を続けた。
「今日ダケハ老若男女入リ乱レ、全員クソガキニ戻ルゾ!」

そこから狼たちが繋げていったのは、“Firestarter”、“絆ノ奇跡”、“The Animals”の3曲。
「アルバム出シマス! ソコカラ新曲ヤリマス!」と披露した“Firestarter”はファンキーでディスコなビートにラップが乗るグルーヴィーなロックナンバー。琴や尺八といった和楽器の音色を同期で鳴らした“絆ノ奇跡”は、いわゆるオチサビもあるエモーショナルな歌もののロックナンバー。そして、中盤のブロックを締めくくった“The Animals”はタイトでヒプノティックな8ビートの上でギターのロングトーンがドローン的に鳴るサイケデリックロックナンバー。Johnnyが奏でるギターソロのエキゾチックなフレーズが心憎い。

どうだ!? 筆者には狼たちがパンクのフェスに敢えてパンクらしからぬセットリストで臨んだ、いや、挑んだように思え、狼たちの反骨精神に思わず快哉を叫んでしまったが、どうだろう!?

その時点で筆者にはこの3曲がこの日の一番の見どころに思えた。しかし、狼たちはさらなる見どころを準備していた。それがHi-STANDARDとこの日ここに集まった人たちに捧げた“1997”。彼らのファンなら、この楽曲がAIR JAMに対する思いを歌ったアンセムであることはご存じだろう。そのアンセムを、この日、狼たちはJohnnyによるこんな言葉とともに披露したのだ。

「ムチャクチャ楽シイ。ソリャソウダヨ。新シイ面々ガ多ク集マッタ今回ノAIR JAMダケド、変ワラヌマインド、精神性ヲ次世代ニ伝エ、自分達モヤリツヅケテイル兄サンタチニ敬意ヲ表シタイデス。憧レルノヲヤメマショウト言ッタ偉大ナベースボールプレイヤーガ日本ニハイタソウデスガ、憧レルノヲヤメルナンテドダイ無理ナ話。アノ日、アノ出来事ヲ見テシマイ、コレハヤバイトバンドヲ始メ、ダイソレタ夢ヲ抱キナガラズット走リツヅケテキマシタ。憧レルノヲヤメタコトハナイ。ダイソレタ夢ダケド、イツカ追イツケルカモシレナイト思イナガラ、走リツヅケタイ!」

Tokyo Tanaka(Vo)の歌にJohnnyとKamikaze Boy(Ba&Cho)が重ねる<オ~オ~>というコーラスがエモい曲調をさらにエモくする。ライヴのハイライトは、もちろん最後に演奏して、アリーナの観客を跳ねさせ、スタンドの観客を踊らせた不朽のアンセム“FLY AGAIN”だったとは思うが、心情的には断然、“1997”だと思いたい。

曲の途中、難波章浩がステージに現れ、狼たちの思いに応えるように拳を上げた瞬間を、この日ここに集まった全員が目に焼きつけたはずだ。

 

SET LIST(AIR STAGE)

01. Take What U Want
02. database
03. Firestarter
04. 絆ノ奇跡
05. The Animals
06. 1997
07. FLY AGAIN

TEXT: 山口 智男
PHOTO: 西槇 太一